System integration システム保守の範囲と決め方

Maintenance scope システム保守の範囲とは

システム保守の範囲とは、稼働中のシステムについて「誰が・何を・どこまで・どのように」おこなうかを、作業の種類ごとに決めた取り決めのことです。このページでは「保守の範囲」を、保守・運用・改修を合わせた意味で使います。保守は「保守一式」という言葉で契約されることがあり、始めてから「それは含まれていると思っていた」という食い違いが起こりやすい領域です。範囲は、対象システム・監視対象と監視頻度・対応時間・バックアップやアップデートの実施内容・連絡体制と対応フロー・改修の扱いの 6 項目で整理します。このページでは、保守・運用・改修の違い、作業の種類ごとの整理、契約前に整理しておく 6 項目、決め方の 4 ステップの順で説明します。

Types of work 保守・運用・改修の違いと、作業の種類ごとの整理

「保守」は動いている状態を維持するための作業、「運用」は日々動かすための作業、「改修」はシステムを変える作業です。
範囲の食い違いは、この 3 つが 1 つの言葉でまとめられているときに起こりやすくなります。作業の種類ごとに「含む・含まない」を決めておくと、範囲の認識をそろえやすくなります。次の表は一般的な整理です。

作業の種類一般的な作業の例範囲を決めるときの観点
定常作業(保守)定期メンテナンス、バックアップ、OS・ミドルウェア・ライブラリ・CMS などのアップデート何を・どの頻度で・どの環境(本番/検証)まで実施するか。アップデート後の動作確認を誰がおこなうか
監視と異常時の対応(運用)サーバー監視、異常の検知、検知後の確認・対応、関係者への連絡監視対象(例:サーバー、アプリケーション、外部連携)、監視頻度、対応時間(連絡を受け付け、対応する時間帯)、連絡先と連絡の順番
問い合わせ対応(運用)ヘルプデスク(利用者や社内担当者からの操作・仕様の問い合わせ)誰からの問い合わせを受けるか(社内の担当者経由か、利用者から直接か)、受付の窓口と時間帯
改修バグ修正、小さな機能改善、仕様変更、パフォーマンス改善バグ修正と機能改善・仕様変更の線引き、優先順位の決め方
レビューと改善提案(運用から改修へつなぐ作業)稼働データやユーザーフィードバックの確認、運用状況のレビュー、パフォーマンスやコストに関する改善案レビューの頻度と参加者、何のデータを見るか、提案を実施に移すときの判断の流れ

FAC の保守・運用ページでは、対象として、定期メンテナンス、バグ修正、機能改善、ヘルプデスク、サーバー監視、パフォーマンス改善を挙げています。上の表ではバグ修正・機能改善・パフォーマンス改善は改修にあたり、どこまでを含むかは、対象システムと契約範囲に応じて定めます。

Before you sign 契約前に整理しておく 6 項目

次の 6 項目が整理されていると、見積の前提がそろい、始めてから「想定していた範囲と違う」となる場面を減らせます。

決めること内容決まっていないと起こりやすいこと
1. 対象システムどのシステム・どの環境(本番、検証)と、どの構成要素(バッチ、外部連携)までを対象にするか。関係するサーバーやサービスの一覧対象外と思っていた連携先やバッチで障害が起き、誰が対応するかが決まらない
2. 監視対象と監視頻度何を監視するか(稼働状態、応答、エラー、リソース)と、どの頻度で確認するか利用者からの連絡で初めて障害に気づく。逆に、見なくてよいものまで通知が来て埋もれる
3. 対応時間連絡を受け付け、対応する時間帯と、時間外に異常を検知したときの扱い(翌営業日対応か、緊急連絡か)夜間・休日の障害で「すぐ対応してもらえると思っていた」という期待のずれが起こる
4. バックアップとアップデートの実施内容バックアップの対象・頻度・保持期間と、復元を誰が・どの手順でおこなうか。アップデートの対象(OS、ミドルウェア、ライブラリ、CMS など)と実施のタイミング。アップデート後の動作確認を誰がおこなうか障害時に戻せる時点が分からない。アップデートが実施されないまま、サポート期間の終了に気づかない
5. 連絡体制と対応フロー連絡先と連絡の順番、異常を検知したときの確認・判断・報告の流れ、報告の形式。問い合わせの窓口(誰からの問い合わせを受けるか)と、定期レビューの頻度障害のたびに「誰に連絡するか」から始まり、対応が遅れる。問い合わせの窓口が曖昧で、利用者からの連絡が担当者に届かない。レビューの頻度が決まらず、改善の相談が後回しになる
6. 改修の扱いバグ修正はどこまで保守に含むか。機能改善・仕様変更はどの時点から別の見積にするか。優先順位を誰が決めるか「小さな修正」の解釈が双方で違い、費用と作業量の認識がずれる

4 steps 保守の範囲の決め方・
4 ステップ

FAC では、運用体制の構築時に、監視項目・対応フロー・連絡体制を整理します。ここでは、その準備として、発注側で整理・確認しておくとよいことを、4 つのステップに分けて説明します。6 項目は、ステップ 1 で項目 1、ステップ 2 で項目 2・3、ステップ 3 で項目 4、ステップ 4 で項目 5・6 を整理します。

01

対象と業務への影響を棚卸しする

サーバーと連携先を一覧にし、業務への影響の大きさで印を付けるイラスト

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対象と業務への影響を棚卸しする

対象にするシステムと環境、関係するサーバーや外部連携を一覧にしておきます。あわせて、それぞれが止まったときに、どの業務がどのくらい困るかを整理します。ここで整理した「業務への影響の大きさ」が、監視の優先順位と対応時間を決める材料になります。発注側で用意しておくとよいのは、システムの仕様が分かる資料と、業務フローです。

02

監視対象・監視頻度・対応時間を決める

監視画面と時計、受け付ける時間帯を示す帯のイラスト

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監視対象・監視頻度・対応時間を決める

ステップ 1 の影響の大きさに応じて、何を・どの頻度で監視するかと、連絡を受け付け、対応する時間帯を決めます。時間外に異常を検知したときの扱い(翌営業日に対応するか、緊急の連絡先を設けるか)も、ここで決めておきます。発注側で確認しておくとよいのは、業務が動いている時間帯と、止まると困る時間帯(締め日、繁忙期)です。

03

バックアップ・アップデートの実施内容を決める

バックアップの箱とアップデートの矢印が、カレンダーの上に並ぶイラスト

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バックアップ・アップデートの実施内容を決める

バックアップは、対象・頻度・保持期間と、復元を誰が・どの手順でおこなうかを決めます。アップデートは、対象(OS、ミドルウェア、ライブラリ、CMS など)と実施のタイミング、実施後の動作確認を誰がおこなうかを決めます。発注側で確認しておくとよいのは、「どの時点まで戻せればよいか」(前日か、直前か)と、データを保持しなければならない期間です。

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連絡体制・対応フロー・改修の扱い・レビューの頻度を決める

連絡の順番を示す矢印と、定期レビューの循環のイラスト

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連絡体制・対応フロー・改修の扱い・レビューの頻度を決める

異常を検知したときの確認・判断・報告の流れと、連絡先・連絡の順番、問い合わせの窓口(誰からの問い合わせを受けるか)を決めます。バグ修正と機能改善の線引き、優先順位を誰が決めるかも、この段階で取り決めます。あわせて、稼働データやユーザーフィードバックをもとに運用状況をレビューする頻度を決めておくと、改善の提案を検討するタイミングが定まります。発注側で決めておくとよいのは、判断できる担当者と、その不在時の代理です。

4 Steps

Our approach フロンティアエージェンシーの考え方

FAC が保守・運用で大切にしているのは、次の 3 つです。

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知見を活かした伴走型サポート

エンジニアと担当者が同じ画面を見ながら優先順位を並べるイラスト

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知見を活かした伴走型サポート

エンジニアが寄り添い、システムの状態や事業要件を確認し、条件に応じた運用方法をご提案します。トラブル対応だけでなく、「どう改善すべきか」「何を優先すべきか」という視点でサポートします。

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データ分析に基づく先回りの改善提案

稼働ログのグラフから、兆候の点に印を付けるイラスト

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データ分析に基づく先回りの改善提案

稼働ログやパフォーマンスデータを定期的に確認し、システムのボトルネックやリスクの兆候を整理します。確認できた兆候や課題に対して対応案を検討し、継続運用や将来の変更に備えた運用改善を支援します。

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事業の変化に応じたインフラ構成の見直し

サーバー構成の図を、事業の変化に合わせて見直すイラスト

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事業の変化に応じたインフラ構成の見直し

利用状況や事業要件の変化に応じて、インフラ構成の見直しをご提案します。コストと性能の条件を整理し、事業フェーズや契約範囲に応じた運用体制をご提案します。関連ページ:リプレイス・移行

Approach

FAQ よくある質問

保守と運用は何が違いますか?

保守は、動いている状態を維持するための作業(定期メンテナンス、バックアップ、アップデート)です。運用は、日々動かすための作業(監視、異常時の対応、問い合わせ対応)です。バグ修正や機能改善は改修にあたり、どこまでを保守に含めるかは契約範囲に応じて定めます。「保守・運用」とまとめて呼ばれることがあるため、作業の種類ごとに含む・含まないを決めておくことをおすすめします。

保守の範囲はどのように決まりますか?

監視対象・監視頻度・対応時間や、バックアップやアップデートなどの保守項目は、対象システムとご契約の範囲に応じて定めます。運用体制の構築時に、監視項目・対応フロー・連絡体制を整理します。契約前に 6 項目を発注側でも整理しておくと、範囲の認識をそろえやすくなります。

障害が起きたときはどう対応しますか?

検知した異常は、定めた対応フローに沿って確認・対応します。バグや不具合は原因を特定して修正し、必要に応じて機能改善や仕様変更をおこないます。

6 項目の整理からでも、範囲が決まった段階からでも、状況に合わせてご相談ください。発注が決まっていなくてもご相談いただけます。お問い合わせフォームの「お問い合わせ内容」に「相談希望」とご記入ください。

まず相談する

関連:保守・運用/リプレイス・移行/業務アプリ・レガシーシステムのリプレイス